空き家と損害賠償。空き家に保険は必要なのか?
目次
空き家に保険は必要?不要?
今使っていない、もう使う予定のない空き家に保険は必要なのでしょうか。
空き家の損害としても大きくなりがちな火災から考えてみようと思います。
火災においては「失火責任法」があります。この法律は「失火(過失による火災)の場合は損害賠償しなくてよい。ただし、重大な過失の場合は除く」というもので、自分が火元になり隣家に火が燃え移ってしまったとしても重大な過失がなければ賠償しなくて良いという法律です。
重大な過失とは、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態のことをいいます。
不特定多数の人が出入りできる状態になっていたり、屋外に燃えやすい不用品やゴミを放置していた、改善を求められていたのに放置した状態は重大な過失とも考えられます。
空き家はその特性から、放火や盗難のリスクが高くなります。
空き家はそもそもが、無人のため、火災が発生した際、通報が遅れやすくなり、被害が大きくなる可能性が高いことは容易に想像がつくと思います。
また、空き家の場合、管理が行き届いていないことにより、近隣の住宅や住民に対し被害を与え、損害賠償を請求される可能性も高くなります。
空き家とは?
空き家とは1年以上誰も住んでいない、使用されていない住宅を指します。
定期的に人が作業するために出入りしていたり、倉庫として使っていたりすれば空き家に該当しません。
マンション・アパートなどでは、全部屋が空室となり1年以上放置された場合は空き家に該当します。
空き家の損害保険・地震保険について
火災保険をかける時は、その状況によってどちらかの物件として区分されます。
- 住宅物件
- 一般物件
①住宅物件
転勤に伴い、一時的に空き家になっている場合や、別荘のように季節的に住宅として使用される建物で家財が常時備えつけられているものについては、通常住宅と同じように住宅物件として火災保険をかけることができます。
住宅物件用の火災保険は補償の選択肢も広く、保険料も割安になります。
②一般物件
住宅物件、工場物件、倉庫物件のいずれにも該当しない物件は一般物件に該当します。事業所や店舗も一般物件になります。①の住宅物件に比べると保険料は割高で加入条件も厳しい傾向があります。
地震保険に関しては住宅物件でしか加入ができません。
損害賠償の保険は高額になることが多いため、個人賠償責任保険や、施設賠償責任保険をかける必要があります。対応できるのかどうかは加入を検討される保険会社に確認してください。
近年、異常気象や自然災害の多発により、火災保険の保険料は上昇傾向にあります。
空き家の火災保険の引受そのものが厳しくなっている会社も多くあります。
空き家は現状、そして将来を見越して使用目的や希望を踏まえた上で、必要な補償をご検討いただくことをおすすめします。
この記事を書いた人
- 『1週間で身につく、14歳からの投資』(ぱる出版)著者
- ファイナンシャル・プランナー
- 独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)
- 損害保険トータルプランナー
- 長野県上田市真田町出身(真田家の系統)
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